好きとか


思ってることを口にしたり物事を断ったりするのが苦手だ。相手がどういう反応をするのか、嫌がられたらどうしよう、突き放されてしまうかも…そんなことを考えて24年間生きてきた。

本当はピンクが好きなのに周りに合わせて水色が好きと言ったし、加護ちゃんが好きなのにゴマキのうちわを買ったし、クラスメイトの「宿題見せて」を断ることもできなかった。

そんなんだから恋愛でも自己主張できるわけがない。まず前提としてわたしは恋愛経験が同年代に比べて非常に乏しい。付き合った人数なんて片手で余裕で足りるしワンナイトなんて論外だしそもそも付き合ってない異性と二人でどこかへ行くということ自体に抵抗がありすぎる。男女グループで何かをすることさえ不潔だと思ってた時期もあった。こじらせすぎか(笑)

愛情表現も暗いところじゃないと言えないし、そもそも大好きな人の目を見るのも、名前を呼ぶことも恥ずかしくてできたことがない。面と向かって何も言えないから気持ち悪いくらい長文のお手紙を事あるごとにお届けしている。

そんなわたしが付き合って1年以上経った頃彼になんとなく言いたくなって寝る前に「好き」と言ってみたことがある。超ドキドキした。

彼は「ありがとう」と抱きしめてきた。

「??????????」

わたしはこんなに勇気をだして言葉にしたのに、なんであなたは好きと言ってくれないの?好きじゃないの??付き合いたての頃は「俺の方が好き」とか甘ったるいこと言ってたじゃん。

なんか悲しくなってとりあえずYahoo!知恵袋で【彼氏 好き ありがとう】を検索した。同じように悩む女の子がたくさんいた。みんな不安になるよね。わかる。

「恥ずかしがり屋」とか「好きって言葉を安売りしないタイプ」とかありきたりな回答がずらっと並んでる中に、とあるおじさんが「なぜそうなる?ありがとうで十分じゃない?」と回答してた。しっくりきた。こうであってほしいっていう理想が最終的に自分の首しめることになってんだなぁ…ただ目の前のことを深く考えずにそのまま受けとればいいんだなぁ…って何かを悟ってちょっと大人になった(気がした)。

怖がらずに何でも言ってみるのもアリかもな。

だけどやっぱり自己主張するには時間がかかるから今日もわたしはだらだらとまとまりのない文章を殴り書く。



※フィクションかもしれない